ジンクは長寿命素材

建物に使用するジンク製品は、ジンクの自己保護特性のお陰で寿命が非常に長くなっています。ヨーロッパでは、ジンク葺きの屋根を100年ほども改修せずに使い続ける例が数多くあります。

そのような長寿命の秘密は、現在ではすっかり解明されました。

段階 1 段階 2

金属亜鉛の表面が、水(H2O)が存在する条件下で空気中の酸素(O2)と反応し、水酸化亜鉛(Zn(OH)2)を形成します。

水酸化亜鉛は空気中の二酸化炭素と反応し、パティナの主成分である塩基性炭酸亜鉛(2ZnCO3.3Zn(OH)2)を形成します。


パティナは、高密度で、密着性が高く、雨に不溶な層を形成し、ジンクがそれ以上酸素と反応するのを妨ぎます。その結果、ジンクの腐食速度が非常に低く抑えられるのです。

しかしながら、ある種の酸性汚染物質によってジンクの耐久性が低下させられ、腐食速度が速まる場合もあります。誘因となる主な汚染物質は、二酸化硫黄(SO2)です。二酸化硫黄とパティナが反応すると、硫酸亜鉛や亜硫酸亜鉛(ZnSO3+ZnSO4)が生成されますが、これは水溶性ですので雨で洗い流されてしまいます。

二酸化硫黄は工業プラント、灯油によるセントラルヒーティングシステム、車の排気ガスなどから発生します。そのようなわけで、腐食速度は、農村地帯よりも工業地帯や都市部のほうが高くなっています。

幸いなことに、1970年代より二酸化硫黄による大気汚染は大きな環境問題として取り上げられ、欧州をはじめとした諸国の議会ではこの種の公害に対する規制を強化しました。これにより、一般的に大気中の二酸化硫黄濃度は低下してきており、特に汚染度が高かった都市部や工業地帯において顕著な減少がみられます。
 

その結果、圧延亜鉛の腐食速度は、20世紀後半の間に大きく低下しました。

現在、圧延亜鉛の腐食速度は、およそ毎年1ミクロン(¹)です。施工時の一般的な厚みが0.7ミリ、代表的な腐食速度が毎年1ミクロンですから、ジンクの平均寿命は100年以上であることがわかります。ジンクの平均寿命はここ数十年の間に伸びてきており、今後も継続した伸びが見込まれています。


(¹) "大気腐食の結果としての異なる年齢の屋根葺き用材料からの亜鉛の流出の環境的影響 (Environmental effects of zinc run-off from roofing materials of different ages as a result of atmospheric corrosion)" - I.Odnevall Wallinder, P.Verbiest, C.R.Janssen and C.Leygraf - 14th International Corrosion Congress, 16 sept - 1 Oct 1999, Cape town, South Africa.